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2025年9月以降、順次 LINEアプリの下部タブに大きな変更が行われています。
これまで表示されていた「VOOM」タブがなくなり、新しく「ショッピング」タブへ切り替わることで、
ユーザーの利用動線や企業のマーケティング戦略にも大きな影響が出ると考えられています。
単なるデザイン上の変化ではなく、LINEヤフーの成長戦略そのものが反映された、大きな転換点だといえるでしょう。
本記事では、2025年度第1四半期のLINEヤフー決算説明会の内容をもとに、このリニューアルの背景や狙いを詳しく解説します。
【目次】
2025年9月以降、LINE下部に表示されていた「VOOM」タブが「ショッピング」タブに変更されています。

「VOOM」は、LINE内で動画やショートコンテンツを投稿・視聴できる機能で、TikTokやInstagramのリールに近い位置づけとして提供されていましたが、TikTokやInstagramと比較すると、ユーザーのアクティブ率は伸び悩んでいます。
一方で、新設される「ショッピング」タブは、LINEギフトやLINEショッピングなど、すでに人気の高いサービスをまとめる導線となります。
LINEヤフーはユーザーの購買体験をよりスムーズにすることで、ECの利用を促進する狙いです。
特に「LINEギフト」は友人や家族へのカジュアルな贈り物ニーズを取り込み、利用者数を着実に拡大してきました。
こうした既存の成功事例をアプリの中心に据えることで、より大きな利用拡大を狙っています。
2025年8月に行われた「LINEヤフー株式会社 第1四半期決算説明会」では、このリニューアルの背景にある戦略が示されました。
これによると、LINEヤフー社の売上収益は堅調な成長を記録しており、特に「戦略事業(PayPayを含む金融・EC領域)」が好調で、この分野にさらに投資を進める方針が明確になりました。
LINEの役割を「コミュニケーション」+「購買プラットフォーム」に強化していくイメージで、これはMetaやTikTokが広告収益を軸に成長してきたのに対し、LINEが「購買」に重きを置く差別化の表れでもあります。
ショッピングタブに変更になっても、VOOM自体はなくなりません。
タブに表示されなくなることからVOOMへの自然流入の減少が予測されますが、VOOMは、ホーム画面の「サービス」から見ることができます。
「動画やSNSコンテンツ要素を切り捨てる」わけではなく、「より収益化の可能性が高いEC領域へリソースを集中させる」動きと考えられます。
日本国内のEコマース市場は年々拡大し、市場規模は20兆円を超える水準に成長しています。
特にスマホ経由の購入比率が高まり、SNSからの購買行動も一般化してきました。

LINEは月間ユーザー数 9,900万人(2025年6月末時点)と多くのユーザー数を抱える国内最大級のプラットフォームです。
この強みを活かし、LINEアプリ内で「商品を見つける・購入する・ギフトを贈る」を活性化させ、LINEアプリを日本のEC化を実現することを目指しています。
今後はAIによるレコメンド(おすすめ機能)や、PayPayとの連携によるスムーズな決済がさらに強化される見込みです。
ユーザーにとっては「欲しい商品に出会いやすくなる」「購入から決済までの手間が少なくなる」という価値の向上が期待されます。
LINEアプリ内で「商品発見・購入・決済・ギフト」という流れを活性化させることで注目したいのは、「LINE内で購買データが蓄積される」点です。
この購買履歴や行動データを活用することで、より精度の高いターゲティングが可能になり、広告主にとって、さらに魅力的なプラットフォームへと進化することが期待されます。
ショッピング内に出店するEC事業者や広告主にとっても、このリニューアルは大きなメリットです。
ショッピングタブが下部に常設されることで、LINEユーザーの自然な流入の増加が期待できます。これにより、ユーザーはコミュニケーションの延長で商品に出会いやすくなり、流入が増えるぶん購買のハードルが下がります。
相手の住所がわからなくても、気軽にプチギフトが贈れる「ソーシャルギフト文化」は、10代~30代の比較的若い世代に人気でしたが、今ではお中元やお歳暮の新しいカタチとして、40~50代にも根付いてきています。
このLINEのリニューアルは「EC成長」の弾みとなることが期待できるでしょう。
決算資料の中でもLINEの「ミニアプリ」の成長が強調されました。

LINEのミニアプリとは、LINEの中で動作するアプリのことで、ユーザーはインストール不要でサービスを利用できます。
現在のLINEミニアプリ数は23,550件、月間ユーザー数も1,473万人に達しており、ショッピングや今後のウォレットとの導線強化によってさらなる活用が期待されます。
例えば、飲食店の予約やイベントチケット購入をLINE内で完結できるようになれば、「ショッピング」という概念はモノの購入だけでなく、体験やサービスの購入にも広がっていくでしょう。
今後の成長を支えるもう一つの要素が「生成AI」と「ミニアプリ」の組み合わせです。
LINEはすでに「LINE AI」サービスを提供しています。
LINE AI は、友だちと話すようにメッセージをやりとりしたり、情報の検索・収集ができるサービスです。
画像の分析や生成も可能で、生成した画像はダウンロード・シェアできます。
今後は、ユーザーの行動に基づいてショッピングで「おすすめ商品」などを提示する取り組みを進めています。AIによるパーソナライズが進めば、ユーザーが欲しいと思う前に提案が届く「先回り」が実現可能です。
さらに、ミニアプリの成長は企業側にとっても「販路拡大」という、新たなビジネスチャンスとなるでしょう。
このリニューアルは、LINEが「コミュニケーションアプリ」に加えて、「生活インフラアプリ」へ進化するための重要なステップです。
VOOMの流入が減ることを懸念する声もありますが、それ以上にEコマースを中心とした新たな「コミュニケーション起点のEC」という進化が注目されます。
今後は、EC事業者がどのようにLINE内で集客・販売を強化していくか、ミニアプリやAI活用による購買体験の高度化、といった点が成長のカギを握るでしょう。
今回のLINEリニューアルは、単なるデザイン変更ではなく、戦略的な事業転換の一環です。
ユーザーにとっては買い物がより便利になり、企業にとっては新たな販売チャネルが広がります。日本のEコマース市場が拡大を続けるなか、LINEはその中心的なプレイヤーとして存在感を強めていくことになりそうです。
さらにAIやミニアプリといった新技術の組み合わせによって「LINEで生活のあらゆることが完結する」未来が現実味を帯びてきています。
ショッピングタブが常設表示になることで、広告にも何かしら変更や影響がある可能性があります。
LINEヤフー社の認定パートナーである 総合アド は、いち早く情報をキャッチし、クライアントのビジネス拡大をサポートいたします。ご不明な点、お悩みごとなどがございましたら、お気軽にお問い合わせください。